「なんとなく、不安なんですよね」
社長と話していると、こういう言葉をよく聞きます。
何が不安なのかと尋ねると、うまく言葉にならない。
この「漠然とした不安」が、実は曲者です。
不安の多くは、「見えていない」ことから来ています。
本記事では、不安が漠然としたまま続く会社で起きていることを整理します。
なお、心理面の話に踏み込むものではなく、あくまで「見える化」という実務的な視点での整理です。
不安が増える会社で先に起きていること
不安が大きい会社には、いくつか共通する状態があります。
数字が見えていないまま勘で動いている
会社の数字を、こまめに見ていない。
勘と経験で動いてきて、それで回ってきた。
ですが、数字が見えていないと、判断のたびに足元が不安になります。
判断の根拠が社長の頭の中にしかない
何をどう決めているかが、社長の頭の中だけにある。
書き出されていないので、本人も後から振り返れません。
これが、漠然とした不安の温床になります。
何が決まっているのかどこにも書かれていない
社内のルールや決めごとが、文書になっていない。
「たぶんこうだったはず」で動いている。
決まっているはずのことが見えないと、不安は増えていきます。
不安が「漠然と」したままになる仕組み
なぜ、不安は漠然としたままなのか。
そこには仕組みがあります。
問題が大きく見えて、手がつけられない
輪郭が見えないものは、実際より大きく感じます。
大きく見えるから、手がつけられない。
手がつかないから、また不安が積もる。
人に話せる状態になっていない
頭の中だけにあると、人に説明できません。
説明できないから、相談もできない。
一人で抱え込むことになり、不安が出口を失います。
不安を分解して輪郭をつかむ視点
漠然とした不安は、分解すると扱いやすくなります。
数字の不安(資金・収支)
お金が回るのか、という不安。
これは、資金繰りや収支を見える形にすると、輪郭がつかめます。
人の不安(任せられない・辞める)
任せられない、辞められたら困る、という不安。
誰が何を担っているかを書き出すと、見え方が変わります。
取引・契約の不安(書面がない)
口約束で進めてきた取引が、書面になっていない。
ここは、契約や書面を整えることで不安が減る部分です。
見える化で不安の輪郭をつかむ
不安を減らす入口は、「見える化」です。
まず「何が決まっていないか」を書き出す
決まっていることより、決まっていないことを先に書き出します。
不安の正体は、たいていこの「決まっていない部分」に潜んでいます。
数字と事実を並べて見る
思い込みではなく、数字と事実を並べて見ます。
並べるだけで、「思っていたより悪くない」「ここが問題だった」と見えてきます。
判断の基準を1行で残す
何をどう決めたか。
その基準を、一行でいいので書き残します。
積み重ねると、判断のぶれが減り、不安も小さくなります。
書類・ルールを整える視点で行政書士が関われる場面
不安そのものは経営の話ですが、整える部分で行政書士が関われます。
決めごと・社内ルールの文書化
頭の中にある決めごとを、文書にする。
書き出すこと自体が、見える化の第一歩です。
契約・許認可の取りこぼしを防ぐ仕組み
契約や許認可の取りこぼしは、後から大きな不安になります。
取りこぼさない仕組みづくりを、お手伝いできます。
よくある質問
何から見える化すればよいですか
まずは「決まっていないこと」を書き出すところからをおすすめします。
全部を一度に整えようとせず、気になる部分から始めて構いません。
社員に不安を見せてもよいのですか
不安そのものをそのままぶつけるより、「ここを一緒に整えたい」と課題の形で共有するほうが前向きに動きやすくなります。
見える化したらかえって不安が増えたときは
最初は、見えていなかった問題が出てきて不安が増えることがあります。
それは、輪郭がつかめてきた証拠でもあります。
一つずつ手をつけられる形に分解していけば、落ち着いてきます。
まとめ
経営者の不安の多くは、「見えていない」ことから来ています。
何が決まっていないかを書き出す。
数字と事実を並べる。
判断の基準を残す。
漠然とした不安は、分解すれば手がつけられるようになります。
社内の決めごとの文書化や、契約・許認可の取りこぼしを防ぐ仕組みづくりでお力になれることがあれば、一度ご相談ください。


