経営者が「忙しいだけ」になる本当の理由|判断を自分に集中させすぎている社長へ

経営者が「忙しいだけ」になる本当の理由 経営・社長の意思決定

「毎日忙しいのに、事業は前に進んでいない」

そう感じている経営者の方は、思った以上に多いです。
私のところに来られる相談者の中にも、「やることが終わらない」「時間が足りない」とおっしゃる方が少なくありません。

ところが、よく話を聞いてみると、忙しさの中身は判断・指示・確認・打ち合わせの繰り返しだったりします。
動いている時間は長いのに、自分の事業を前進させる仕事には手がつけられていない、という状態です。

この記事では、経営者が「忙しいだけ」になる構造と、そこから抜け出すための考え方を書きます。

「毎日忙しいのに、事業は前に進んでいない」と感じる時

動いているのに前に進まない感覚の正体

「動いている」と「進んでいる」は別物です。
社内の判断を待たれて、お客様からの問い合わせに対応して、トラブルの火消しをして。
1日が終わってみると、自分が手をつけたい仕事には手がつけられていない。

これが、経営者が陥りやすい「忙しいだけ」の状態です。

経営者特有の「忙しさ」の中身

社員の忙しさは、作業の量で決まります。
経営者の忙しさは、判断の量で決まります。

社員は「やる」のが仕事です。
経営者は「決める」のが仕事です。

ところが、決めることが多すぎて、考える時間がなくなっている経営者が多いです。

経営者が「忙しいだけ」になる3つの構造

1. 判断を自分に集中させすぎている

「最終的には自分が決める」を全部の案件でやっていると、社員が判断を持ち込んでくる回数が増えます。
案件が増えるほど、判断待ちの行列が長くなります。

社員から見れば、「社長に聞かないと決められない」状態です。
判断の一部を社員に委ねないと、自分の時間が消え続けます。

2. 仕組み化されていない仕事を毎回手でやっている

「これは私がやらないとできない」と思っている仕事の中に、実は仕組み化できるものがあります。
請求書の作成・契約書のひな型管理・お客様への定型連絡など、考えてみると毎回似たことをしている仕事は多いです。

仕組み化していないと、毎回ゼロから手を動かすことになります。

3. 「やめる判断」をしていない

新しい仕事は始めるけれど、古い仕事はやめない。
そうすると、抱える仕事は増え続けます。

「これは今やる価値があるか」を定期的に見直して、優先度の低いものを手放す判断が必要です。

抜け出すための3つのヒント

意思決定の基準を文書化する

頭の中がいっぱいになると判断疲れをします。

判断基準をきめておくことは、負担を下げます。

「こういう案件は受ける、こういう案件は受けない」
「○○円以下の判断は社員に任せる」

判断の基準を一度文書にしてしまえば、毎回の判断時間が減ります。
社員も、自分で判断できる範囲がはっきりします。

1日のうち「考える時間」を予約する

カレンダーに「自分のための時間」をブロックします。
打ち合わせを入れない、電話を取らない、メールを見ない時間です。

最初は30分でもいいです。
1日のうち、必ず確保する時間を作ることが第一歩です。
朝がお勧めです。
夜は疲れていますので。
私も朝に考える時間をとっています。

手放す業務を1つだけ決める

「全部やめる」は難しいので、「1つだけ手放す」を目標にします。
誰かに任せる、外注する、やらない、のどれかを選びます。

1つ手放せば、また1つ余裕ができます。
そこから次を考えればいいです。

電話代行や、クラウドソーシングは安価で助けになります。
私は長いことfondeskを使っていました。
電話って、思考を中断してしまうので再びエンジンをかけるのに時間がかかります。

人に任せるとコストがかかると考えている場合、
AIに任せることもお勧めです。
設定に時間がかかりますが、CoWorkやCodexでルーティンワークを登録するとずいぶん楽になります。

仕組み化を進めるときの落とし穴

いきなり全部やろうとして挫折する

「これを機に全部仕組み化しよう」と意気込むと、たいてい途中で止まります。
仕組み化は、一度に1つだけが鉄則です。

ルール化だけで「実行」が伴わない

「ルールは作ったけど、結局自分でやっている」というケース。
ルールを作ったら、最初の数回は意識的に社員に任せる必要があります。

不安でも、口を出さずに見守る時間を作る。
そこを通り抜けないと、仕組みは定着しません。

よくある質問

Q. 何から手をつければよいですか?

まず、1日の中で自分が何に時間を使っているかを記録してみてください。
1週間記録するだけでも、「これに時間を取られていたのか」という発見があります。

そこから、減らせるもの・手放せるものを1つだけ選びます。

Q. 社員に任せるのが不安な時はどうすればよいですか?

不安な気持ちは自然なものです。
任せる範囲を最初から大きくしすぎないことが大事です。

「金額の上限」「対応範囲」を絞って、小さく始めます。
失敗してもダメージが小さい範囲から、少しずつ広げていくのが現実的です。

まとめ|小さく1つ手放すところから

「忙しいだけ」から抜け出すために、いきなり大きく変える必要はありません。
小さく1つ、判断を文書化する。1つ、誰かに任せる。1つ、やめる。

その積み重ねが、考える時間を取り戻す道です。

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この記事の執筆者

行政書士 坂本倫朗(さかもと・みちろう)

坂本倫朗行政書士事務所 代表。東京都を拠点に、産業廃棄物収集運搬業許可・建設業許可・解体工事業登録・電気工事業者登録・一般貨物自動車運送事業など、各種許認可申請の支援を行っています。

また、補助金・融資支援を軸にした定額制サービス「Legal Base One」を運営し、IT・Web業界の中小企業や個人事業主に対し、契約書作成・利用規約作成・資金繰り改善・補助金支援など、財務と法務の両面から継続サポートを提供しています。

さらに、生成AIの活用支援を行う「生成AIアドバイザー」として、AI導入・プロンプト設計・AI契約条項の作成など、企業のAI活用を法務面からサポートしています。

行政書士登録番号:第17081604号
所属:東京都行政書士会
Webサイト:https://sakamoto316.tokyo/

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