本業に集中できている会社で起きている、当たり前のことの積み重ね

本業に集中できている会社で起きている、当たり前のことの積み重ね 経営・社長の意思決定
本業に集中できている会社で起きている、当たり前のことの積み重ね

「気づいたら、本業に手が回っていない」
そう話す社長に、私はよく出会います。
雑用に追われ、相談ごとに呼ばれ、気づけば一日が終わっている。

ところが、本業に集中できている会社を見ても、特別な仕掛けがあるわけではありません。
判断の仕方、断り方、書類の流れ。
当たり前のことが、少しずつ積み上がっているだけです。
本記事では、その積み重ねの中身を、私が現場で見ている範囲で整理します。

本業に集中できない会社で先に起きていること

本業から手が離れる会社には、いくつか先に起きていることがあります。

判断を社長に集めすぎている

小さな確認まで、すべて社長に上がってくる。
「これ、どうしますか」が一日に何十回も飛んでくる状態です。
社長が動けば会社が動き、社長が止まれば会社も止まります。

一見、社長がよく見ているように思えます。
ですが、本業に充てる時間は、その分だけ削られています。

「とりあえず聞く」が文化になっている

判断の基準がどこにも書かれていないと、社員は迷ったら聞くしかありません。
聞くことが習慣になり、やがて文化になります。
悪気はなく、ただ拠りどころがないだけです。

本業ではない依頼を断り切れない

付き合いで受けた仕事、なんとなく続いている仕事。
一つひとつは小さくても、積み重なると本業を圧迫します。
断る基準を持っていないと、来た依頼をそのまま抱えてしまいます。

本業に集中できている会社で見える共通項

逆に、うまく回っている会社には、地味な共通点があります。

判断の基準が文書になっている

「ここまでは現場で決めていい」「ここからは社長に確認」
その線が、頭の中ではなく、文書になっています。
だから社員は迷わず、社長のところに上がる件数が減ります。

請けない仕事の線が決まっている

何を受けて、何を受けないか。
その輪郭がはっきりしている会社は、依頼に振り回されません。
断ることが、わがままではなく方針になっています。

書類・連絡の流れが決まっている

契約書はどこに置くか、連絡はどの順で回すか。
流れが決まっているだけで、探す時間と待つ時間が減ります。

判断を散らさないために整えていること

本業に集中するには、判断を一か所に集めすぎないことが効いてきます。

誰が、何を、どこで決めるかが書かれている

決め方そのものを、簡単でいいので残しておく。
それだけで、同じ質問が繰り返し上がってくることが減ります。

「社長に聞かなくていい範囲」がはっきりしている

任せる範囲を決めるのは、放任とは違います。
むしろ「ここまでは任せた」と線を引くことで、社員も動きやすくなります。

例外が起きたときの戻し方が決まっている

想定外のことは必ず起きます。
そのとき、どう社長に戻すかを決めておけば、現場は止まりません。

請けない仕事を断れる構造

断れない会社ほど、本業の時間を失います。

自社の本業の輪郭を言葉にしている

「うちはここで稼ぐ」という輪郭が言葉になっていると、外れた依頼に気づけます。
気づければ、受けるか受けないかを選べます。

請けないことのコストを認識している

断ると、目の前の売上は逃します。
ですが、受けたことで本業が遅れるコストもあります。
両方を並べて見られると、判断がぶれません。

相手に説明できる断り方を持っている

「うちは今これに集中しているので」
理由を添えて断れると、関係を壊さずに線を引けます。

書類と連絡の流れで止まらない工夫

本業に集中している会社は、書類の周辺で止まりません。

契約・申請・記録の置き場所が一つに集約されている

あちこちに散らばっていると、探すだけで時間が溶けます。
置き場所を一つにまとめておくと、その分を本業に回せます。

判断の根拠を残す習慣がある

「なぜこう決めたか」を一行でも残しておく。
後で見返したとき、同じ判断を繰り返さずに済みます。

取引先との関係が文書で整っている

口約束のままの取引は、揉めたときに本業を止めます。
契約書や覚書で整えておくと、後追いの対応に追われずに済みます。

判断と書類を整える視点で行政書士が関われる場面

ここは本業の話なので、行政書士が踏み込める範囲はそう広くありません。
ただ、判断と書類を整える部分では、私の仕事と重なります。

契約書・社内規程・運用ルールの文書化

「誰が何を決めるか」を文書にする作業は、規程づくりとよく似ています。
たたき台を外から整えるお手伝いはできます。

許認可・届出を取りこぼさない仕組みづくり

許認可や届出の期限を逃すと、本業がそこで止まります。
取りこぼさない仕組みを一緒に作ることはできます。

よくある質問

何から手をつければよいですか

まずは「社長に上がってくる質問」を一週間メモしてみてください。
繰り返し上がる質問が、最初に基準を決めるべき場所です。

社員数が少ないうちは関係ないですか

人数が少ないほど、社長の時間が会社の上限になります。
小さいうちに線を決めておくほうが、後で楽になります。

マニュアル化と何が違いますか

マニュアルは「やり方」を書くものです。
ここで言う文書化は「決め方」を残すこと。
作業ではなく判断を軽くするのが狙いです。

まとめ

本業に集中できている会社は、特別なことをしているわけではありません。
判断の基準を残し、請けない線を決め、書類の流れを整える。
当たり前のことが積み上がっているだけです。

一気に全部はできません。
まずは一つ、繰り返し上がる質問の基準を決めるところから始めれば十分です。
判断の基準づくりや、契約・規程の文書化でお困りのことがあれば、一度ご相談ください。

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この記事の執筆者

行政書士 坂本倫朗(さかもと・みちろう)

坂本倫朗行政書士事務所 代表。東京都を拠点に、産業廃棄物収集運搬業許可・建設業許可・解体工事業登録・電気工事業者登録・一般貨物自動車運送事業など、各種許認可申請の支援を行っています。

また、補助金・融資支援を軸にした定額制サービス「Legal Base One」を運営し、IT・Web業界の中小企業や個人事業主に対し、契約書作成・利用規約作成・資金繰り改善・補助金支援など、財務と法務の両面から継続サポートを提供しています。

さらに、生成AIの活用支援を行う「生成AIアドバイザー」として、AI導入・プロンプト設計・AI契約条項の作成など、企業のAI活用を法務面からサポートしています。

行政書士登録番号:第17081604号
所属:東京都行政書士会
Webサイト:https://sakamoto316.tokyo/

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