家族が亡くなった後は、役所への届出だけでなく、戸籍の収集、相続人の確認、財産と借金の調査、遺産分割、預貯金や不動産の名義変更など、さまざまな手続が必要になります。
しかし、すべての相続で同じ手続を行うわけではありません。遺言書の有無、相続人の人数、財産の内容、借金、会社や事業、デジタル資産、土地などによって、進め方と相談すべき専門家が変わります。
このページでは、家族が亡くなった後の相続手続を、どのような順序で確認すればよいか、行政書士へ依頼できること、司法書士・税理士・弁護士などへの相談が必要になる場面を整理します。
このページは、このような方のためのものです
- 家族が亡くなり、何から始めればよいか分からない
- 役所や銀行から書類を求められたが、全体の順序が分からない
- 戸籍の収集や相続人の確認を任せたい
- 故人にどのような財産があったか把握できていない
- 遺産分割協議書を作る必要があるか知りたい
- 預貯金、不動産、会社、デジタル資産など複数の問題がある
- 行政書士、司法書士、税理士、弁護士の誰に相談すべきか分からない
すべての資料がそろっていなくても相談できます。分からないことを含めて、現在の状況を整理するところから始めます。
最初に確認する6つのこと
1. 遺言書があるか
遺言書がある場合は、原則としてその内容を確認して手続を進めます。公正証書遺言、自筆証書遺言、法務局で保管されている遺言書など、種類によって確認方法や家庭裁判所での検認の要否が異なります。
自宅で封印された遺言書を見つけた場合は、その場で開封せず、家庭裁判所への手続が必要か確認してください。
2. 誰が相続人になるか
相続人を確定するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などを確認します。
家族が把握していなかった子、前婚の子、養子、すでに亡くなった子の子などが相続人になることもあります。相続人が一人でも欠けたまま遺産分割協議をしても、有効な協議にはなりません。
3. 財産と債務に何があるか
預貯金と自宅だけでなく、次のようなものも確認します。
- 株式、投資信託、保険
- 自動車、貴金属、貸付金
- 売掛金、事業用設備、在庫
- 会社の株式
- ネット銀行、暗号資産、ポイント
- ドメイン、Webサイト、制作データなど
- 借入金、未払金、保証債務
財産だけでなく債務も含めて確認しなければ、相続するか相続放棄を検討するか判断できません。
4. 期限のある手続がないか
相続放棄・限定承認、準確定申告、相続税申告、相続登記など、相続には期限のある手続があります。
期限の起算点や必要性は手続ごとに異なります。「まだ遺産分割が終わっていないから」とすべてを後回しにせず、該当する可能性がある期限を早い段階で確認します。
5. すぐに維持・管理しなければならないものがあるか
会社の代表者、従業員への給与、許認可、事業用サーバー、顧客対応、賃貸物件、農地や森林などは、遺産分割が終わるまで放置できない場合があります。
誰が当面の管理を行うのか、止めてはいけない契約やサービスがあるかを確認します。
6. 相続人同士で争いがあるか
相続人全員が話し合える状態なのか、すでに意見の対立があるのかによって相談先が変わります。
行政書士は、合意した内容を遺産分割協議書にすることはできますが、一方の代理人として他の相続人と交渉することはできません。争いがある場合は弁護士への相談が必要です。
相続手続の基本的な流れ
1. 緊急性の高い手続を確認する
死亡届、葬儀、年金、健康保険などの手続と並行して、遺言書、借金、事業、管理が必要な資産を確認します。
2. 戸籍を収集して相続人を確定する
戸籍を読み取り、法律上の相続人を確定します。必要に応じて相続関係説明図を作成し、その後の金融機関や登記などの手続に利用します。
3. 財産と債務を調査する
通帳、郵便物、固定資産税の資料、証券会社の書類、契約書、パソコンやスマートフォンなどから手掛かりを集めます。
相続財産の範囲が分からない場合は、判明したものから財産目録へ整理し、不明点を洗い出します。
4. 相続するか、相続放棄等を検討する
債務の方が多い可能性がある場合や、保証債務が不明な場合は、財産を処分する前に相続放棄等の検討が必要です。
相続放棄等は家庭裁判所の手続になるため、必要に応じて弁護士または司法書士へ相談します。
5. 遺産の分け方を決める
遺言書がない場合などは、相続人全員で財産の分け方を話し合います。不動産を一人が取得して他の相続人へ代償金を支払う方法や、売却して代金を分ける方法などもあります。
6. 遺産分割協議書を作成する
合意内容を、金融機関や相続登記などの手続に使用できる形で書面にします。

7. 財産ごとの手続を進める
預貯金、証券、不動産、自動車、保険、会社の株式、デジタル資産など、それぞれの窓口と必要書類を確認します。

坂本事務所へ依頼できること
坂本倫朗行政書士事務所では、紛争のない相続について、主に次の業務を行います。
- 戸籍・除籍・改製原戸籍等の収集
- 相続人の確認
- 相続関係説明図の作成
- 財産資料の整理、財産目録の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 金融機関から求められた書類の整理
- 会社・個人事業・フリーランスに関する相続の整理
- デジタル遺産の棚卸し、引継ぎ・解約方針の整理
- 相続した土地に関係する行政手続の整理
- 必要となる他士業との連携
相続登記は司法書士、相続税申告は税理士、紛争や交渉は弁護士、測量や境界確定は土地家屋調査士が担当します。
特に早めに相談した方がよいケース
- 借金や保証債務がある可能性がある
- 相続人の中に連絡が取れない人がいる
- 会社の代表者や個人事業主が亡くなった
- 事業用のアカウントや顧客データにアクセスできない
- 遠方の土地、農地、森林、空き家がある
- 相続人間ですでに意見が対立している
- 相続税がかかる可能性がある
- 遺言書の内容や有効性に疑問がある
行政書士の業務範囲外となる場合でも、最初の状況整理により、次に相談すべき専門家を明確にできます。
よくあるご質問
- Q何も調べていない状態でも相談できますか
- A
はい。被相続人との関係、亡くなった日、把握している財産、遺言書や借金の有無など、分かる範囲から確認します。
- Q相続手続を全部まとめて依頼できますか
- A
行政書士が担当できる書類作成や調査はまとめてお引き受けできます。登記、税務、紛争など他の資格者が担当する手続が含まれる場合は、役割を分けて進めます。
- Q戸籍だけを集めてもらうこともできますか
- A
対応できます。戸籍収集だけでなく、相続人の関係を示す相続関係説明図の作成まで必要かを確認してお見積りします。
- Q相続人同士の話し合いにも入ってもらえますか
- A
行政書士は、中立的に手続や書類を説明し、全員が合意した内容を書面にできますが、一方の代理人として交渉することはできません。対立がある場合は弁護士への相談が必要です。
まず、現在の状況を整理するところから始めます
相続手続は、すべてを自分で調べ終えてから相談する必要はありません。
何が分からないのか分からない、複数の問題が重なっている、誰に相談すべきか判断できないという状態でも構いません。現在把握している内容をもとに、必要な手続と順序を整理します。
