産業廃棄物収集運搬業の許可が下りた瞬間、多くの方が「これで営業できる」と安心されます。
しかし、許可取得はゴールではありません。
むしろスタートです。
許可後に必要な準備や法令対応を怠ると、
行政指導や業務停止につながる可能性があります。
本記事では、許可取得後に必ずやるべきことを実務目線で整理します。
まず最初にやるべきこと
① 車両表示の実施
許可取得後は、運搬車両に表示を行う義務があります。
表示すべき内容は、
・氏名または名称
・産業廃棄物収集運搬業許可番号
です。
ここでよくある質問があります。
「個人事業主ですが、屋号だけ表示してもいいですか?」
結論から言うと、原則できません。
個人事業主が許可を取得した場合、
申請名義である“個人名”を表示することが義務となります。
関東圏では特にこの点について指導が厳しい傾向があります。
屋号のみの表示は認められないのが基本です。
屋号を併記できるかどうかは、都道府県ごとに運用が異なります。
必ず事前に確認してください。
② 標識の掲示
営業所には、許可内容を記載した標識を掲示する義務があります。
掲示義務を怠ると指導対象になります。
マニフェストの準備
産業廃棄物を運搬する場合、
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の管理が必須です。
準備すべきことは、
・紙マニフェストを使用するか
・電子マニフェストに加入するか
の選択です。
電子マニフェストを利用する場合は、
JWNETへの加入手続きが必要です。
マニフェストは排出事業者が交付しますが、
収集運搬業者は回付義務を負います。
未回収・未返送は重大な問題になります。
委託契約書の整備
運搬を開始する前に、
排出事業者との委託契約書を締結しなければなりません。
口約束では足りません。
書面契約が法律上の義務です。
契約書には、
・廃棄物の種類
・数量
・運搬区間
・契約期間
・料金
・再委託禁止条項
・マニフェストに関する事項
を記載する必要があります。
契約書未整備は、立入検査で必ず確認されるポイントです。
品目ごとの容器・設備の準備
許可を取得しただけでは足りません。
実際に安全に運搬できる体制が必要です。
・廃油 → 密閉容器
・汚泥 → 漏れ防止構造
・がれき類 → 飛散防止シート
など、品目ごとの対策が求められます。
容器は新品でなくても構いませんが、
破損がないことが前提です。
帳簿の備付けと保存義務
収集運搬業者は、運搬実績を帳簿に記載し、
5年間保存する義務があります。
電子保存も可能ですが、
内容が法定事項を満たしている必要があります。
変更届の管理
許可取得後に次の変更があった場合、
変更届出が必要です。
・役員変更
・本店移転
・車両の入替え
・駐車場変更
・名称変更
届出期限を過ぎると指導対象になります。
許可後に忘れがちな資金管理
許可の有効期限は5年です。
更新費用は必ず発生します。
そのため、許可取得直後から
更新費用の積立を始めることが重要です。
また、講習会の有効期限も別管理が必要です。
よくある指導事例
・車両表示が個人名になっていない
・許可番号の表示漏れ
・委託契約書未整備
・マニフェスト管理不備
・変更届未提出
「知らなかった」は通用しません。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可取得後にやるべきことは、
・車両表示(個人は個人名表示が原則)
・標識掲示
・マニフェスト体制整備
・委託契約書締結
・容器・設備準備
・帳簿管理
・変更届管理
・更新費用積立
許可はスタートです。
許可後の管理体制こそが、
事業継続の鍵となります。
【当事務所のサポート内容】

当事務所では単なる許可申請サポートだけでなく、許可取得後の業務に役立つよう、以下のサポートを行います。
・実務に使える運用マニュアルの提供
・各種変更届への迅速な対応
・日々の運用に関する継続的なご相談対応
許可を「形だけ」にせず、事業の土台として機能させる。
それが当事務所の方針です。
産業廃棄物収集運搬業許可の新規取得はもちろん、

