産業廃棄物収集運搬業の許可申請で必ず決めなければならないのが「取扱品目」です。
よくあるご相談が、
「全部の品目で申請してください」
「どうせなら全部取っておいた方がいいですよね?」
というものです。
しかし結論から言うと、すべての品目を取得できるとは限りません。
品目は“とりあえず全部”ではなく、戦略的に選ぶ必要があります。
産業廃棄物の品目とは?
産業廃棄物は法律で定められた区分に分かれています。
代表的なものは、
・汚泥
・廃油
・廃酸
・廃アルカリ
・廃プラスチック類
・金属くず
・ガラスくず・コンクリートくず
・がれき類
・木くず
などです。
これらはそれぞれ個別に許可を取得します。
許可を受けていない品目を運搬すると、無許可営業になります。
「全部取得」はできない場合がある
実務上非常に重要なのがこの点です。
県によっては、すべての品目を機械的に認めてくれるわけではありません。
理由の一つは、「処分先の存在」です。
収集運搬業は、最終的に中間処理場や最終処分場へ運びます。
そのため、申請する品目について、
・受入可能な処分場が存在するか
・実際に受入対応しているか
が重要になります。
処分先が確保できない品目については、
実質的に許可が認められないケースがあります。
県によっては申請を断られる品目もある
さらに、自治体によっては、
「その品目は現在の事業計画では不要ではありませんか?」
「実際に取り扱う予定がない品目は認められません」
と指導されることがあります。
つまり、
・実態に合わない品目
・処分計画が不明確な品目
は認められない可能性があります。
県ごとの運用差は無視できません。
品目に応じた容器の準備が重要
品目を取得するうえで、見落とされがちなのが「容器」です。
産業廃棄物は、飛散・流出・悪臭の防止が義務付けられています。
そのため、品目ごとに適切な容器や設備を準備できることが前提になります。
例えば、
・廃油 → ドラム缶や密閉容器
・汚泥 → 漏れ防止構造のコンテナ
・廃酸・廃アルカリ → 耐薬品性容器
・がれき類 → 飛散防止シート
など、品目ごとに適切な管理が必要です。
容器は新品である必要はありませんが、
破損していないこと、十分な機能を有していることが前提です。
つまり、
「その品目を安全に運べる体制があるか」
が問われます。
容器の準備ができていないのに品目だけ申請するのは、
実務上リスクが高いと言えます。
混合廃棄物の誤解
「混合廃棄物」としてまとめて運べると誤解している方もいます。
混合廃棄物であっても、
含まれる個々の品目について許可が必要です。
例えば、
・廃プラスチック類
・金属くず
・がれき類
が混在している場合、
それぞれの許可が必要になります。
特別管理産業廃棄物との違い
特別管理産業廃棄物(特管)は、
通常の産廃とは別の許可区分です。
石綿含有廃棄物や感染性廃棄物などは、
通常の産廃許可では運搬できません。
品目選定時には、
通常産廃か特管かの区別も重要です。
品目追加は簡単ではない
後から品目を追加する場合は、
変更許可申請が必要です。
追加申請には、
・手数料
・審査期間
・書類作成
が発生します。
最初の段階で、ある程度の将来計画を踏まえた品目設計が重要です。
行政書士がすすめる品目選定の方法
実務では、次の順番で検討することをおすすめします。
1.実際に取り扱う予定の廃棄物を整理する
2.処分業者の受入品目を確認する
3.必要な容器・設備を確認する
4.県の運用を事前に確認する
品目は「理論上取れるか」ではなく、
「実際に安全に運べるか」で判断します。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の産廃品目で重要なのは、
・全部取得できるとは限らない
・処分先の存在が前提
・県によって運用が異なる
・品目に応じた容器・設備が必要
・混合廃棄物でも個別許可が必要
品目は数を増やせば良いわけではありません。
実態に合った、根拠のある品目選定が
許可取得の成功につながります。
【当事務所のサポート内容】

当事務所では単なる許可申請サポートだけでなく、許可取得後の業務に役立つよう、以下のサポートを行います。
・実務に使える運用マニュアルの提供
・各種変更届への迅速な対応
・日々の運用に関する継続的なご相談対応
許可を「形だけ」にせず、事業の土台として機能させる。
それが当事務所の方針です。
産業廃棄物収集運搬業許可の新規取得はもちろん、
現在の運用に不安がある方も、まずは一度ご相談ください。

