フリーランスが亡くなったとき、家族は何から始める?|契約・報酬・データの確認順

フリーランスが亡くなったとき、家族は何から始める?|契約・報酬・データの確認順 相続・事業承継
フリーランスが亡くなったとき、家族は何から始める?|契約・報酬・データの確認順

フリーランスだった家族が亡くなったときは、最初にパソコンの中を探し回るのではなく、仕事の期限、契約相手、預かっているデータを確認します。

ご家族が仕事の内容を知らなくても、メール、カレンダー、請求書、銀行の入出金を順に確認すれば、急ぐ案件を絞れます。ただし、故人のアカウントへ無断でログインしてよいとは限りません。端末やサービスの扱いは、契約と利用規約を確認しながら進めます。

会社や事業が関係する相続では、この記事で扱う問題だけでなく、相続人、財産、期限のある手続を全体で見ておく必要があります。最初から順に確認したい方は、相続手続の全体像もあわせてご覧ください。

最初に「期限が近い仕事」を探す

スマートフォンやパソコンを操作できる状態なら、削除や初期化をせず、そのまま保管します。画面に表示される通知、紙の手帳、納品予定表、請求書控えから、次の事項を書き出してください。

  • 取引先名と担当者
  • 仕事の内容
  • 納品日、公開日、予約日
  • 受領済みの前払金
  • 未請求または未入金の報酬
  • 外注先への発注と支払予定
  • 顧客から預かっている原稿、画像、個人情報

納期が迫っている相手には、すべてを把握してからではなく、本人が亡くなったことと連絡窓口を先に伝えます。「契約とデータを確認して改めて連絡する」と伝えれば、無理にその場で納品や返金を約束する必要はありません。

契約ごとに、終了するのか引き継げるのかを確認する

フリーランスの仕事には、本人の技能や創作を前提にした契約が多くあります。家族が相続人になっても、本人に代わって同じ仕事を完成させられるとは限りません。

契約書、発注書、メールの合意を確認し、取引先と次の事項を話し合います。

  • 途中までの成果物を引き渡すか
  • 別の制作者へ引き継げるか
  • 前払金を精算するか
  • 既に完了した部分の報酬を請求できるか
  • 秘密情報や貸与機器を返却するか

契約上の地位を別の人へ移すには、相手方の承諾が必要になることがあります。ご家族だけで「後継者が続きを行う」と決めず、取引先の確認を取ってください。

未回収報酬と、死亡後の仕事を分ける

死亡前に完成していた仕事の報酬や、完了部分に応じて請求できる金額は、相続財産になる可能性があります。請求書を発行していなくても、契約、納品記録、メールから請求根拠を確認します。

一方、後継者が死亡後に新たに制作した部分の対価は、故人の相続財産とは分けて考えます。取引先と、どこまでが故人の仕事で、どこからが後継者の仕事かを書面で確認しておくと、報酬と責任の境目が明確になります。

顧客データを家族の判断だけで開かない

制作会社から預かった未公開データ、顧客名簿、会員情報、取引先の認証情報などは、相続人が自由に利用できる資料ではありません。

保存場所を特定したら、コピーを増やさず、取引先へ返却方法や削除方法を確認します。クラウドサービスは、利用規約上、本人以外のログインやアカウント譲渡が禁止されていることがあります。サービス提供者の相続窓口がある場合は、戸籍などを用いた正式な手続を利用します。

著作物とアカウントを同じものとして扱わない

故人が制作した文章、写真、イラスト、プログラムなどの著作権が相続の対象になっても、作品を販売していたWebサービスのアカウントまで自由に引き継げるとは限りません。

確認するものを分けます。

  • 作品そのものと著作権
  • 取引先へ許諾している利用範囲
  • 販売サイトやSNSの利用契約
  • 売上金を受け取る権利
  • ドメインやサーバーの契約

国民生活センターも、ネット上の資産や契約は遺族が見つけにくく、パスワードが分からない端末の解除は困難になると案内しています。デジタル終活に関する注意喚起も参考にしてください。

分からないまま端末を触る前に、情報を一覧にする

ご家族が最初に作るのは、仕事を完成させる計画ではありません。契約相手、納期、報酬、データ、アカウントを一枚にまとめた一覧です。

次の確認へ進む

この記事の問題と一緒に確認しておきたい手続を、次の2本で説明しています。現在の状況に近い方からお読みください。

  • フリーランスの進行中案件は死亡後どうなる?|契約・納品・報酬の整理(執筆中)
  • 顧客データや制作データを家族が引き継ぐときの注意点(執筆中)

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