【東京都】展示会出展助成プラスの活用法を行政書士が解説

はじめに

近年、東京都の中小企業において「展示会」への出展は、商品の魅力を直接伝えられる貴重な営業機会として注目されています。

特にオンライン施策では伝えきれない製品の質感や実演などをアピールできる場として、多くの企業が積極的に参加を検討しています。

しかし、その一方で、出展にかかるコスト負担の大きさが大きな壁となり、せっかくの機会を見送ってしまう企業も少なくありません。

特に東京都内では、事業者が多く、競争も激しいです。
中小企業の多くが「コストをかけずに効果的な販路拡大を図りたい」というジレンマを抱えています。

特に初めて展示会に出展する企業にとっては、出展料や装飾費、輸送費といった諸経費が重くのしかかり、リスクが高く感じられることもあるでしょう。

こうした課題に対して、東京都中小企業振興公社が提供している「展示会出展助成プラス」は、まさに救世主とも言える存在です。

上手に活用すれば、限られた予算の中でも効果的に販路を開拓することが可能になります。
中小企業の成長を後押しするこの制度について、補助金申請のプロである行政書士の視点から、具体的な活用法をわかりやすくお伝えしていきます。

東京都での展示会出展助成プラスの重要ポイント

東京都中小企業振興公社が実施する「展示会出展助成プラス」は、東京都内の中小企業が新たな販路開拓を目的として展示会へ出展する際、その経費の一部を助成する制度です。

単に金銭的な支援を行うだけでなく、企業の市場開拓意欲を後押しすることを目的とした、いわば“挑戦への後押し”ともいえる支援策です。

この制度の対象となるのは、東京都内に本店または事業所を有し、一定の要件を満たす中小企業や個人事業主です。
具体的には、資本金や従業員数が中小企業基本法の基準内であること、特に都税に未納がないことなどが主な条件となります。また、過去の助成実績や業種によっては対象外となることもあるため、事前確認が欠かせません。

助成対象となる展示会は、国内外で開催されるビジネス目的の展示会で、製品やサービスをPRし、販路開拓を狙うものであることが求められます。

対象経費には、ブースの小間料、装飾費、輸送費、カタログ作成費など、出展に直接関連する費用が幅広く含まれています。

特に注目すべきは、助成上限額が国内で最大75万円、海外で最大150万円に設定されており、補助率も2分の1以内という実効性の高い内容である点です。展示会出展が事業における大きな投資となる中小企業にとっては、非常に心強い支援となるでしょう。

こちらの動画も参考にしてください。

東京都内の具体的なケーススタディ(補助金専門行政書士の視点から)

実際に筆者が申請支援を行ったケースでは、都内でオリジナルの調理器具を製造・販売している個人事業主の事例があります。

この企業は、全国規模で開催される業務用展示会への出展を希望していましたが、初出展ということもあり、費用面と手続きへの不安から二の足を踏んでいました。

そこで、「展示会出展助成プラス」を活用することで、出展にかかる費用の約半額が助成対象となることを説明し、申請手続きをサポートしました。

特に申請書では、「なぜこの展示会を選んだのか」「どのような製品を、どの層に向けて売り込むのか」といった出展目的を明確に記載することに注力しました。
加えて、過去の展示会と比較してどの程度の集客が見込めるか、商談件数の目標など、具体的な成果イメージも盛り込みました。

結果としてこの事業者は無事に採択され、助成を活用して東京ビッグサイトで開催された展示会に出展。
数十件の新規取引先と名刺交換ができ、実際に数件はその後の発注につながるなど、大きな成果を得ることができました。

このように、制度をうまく活用するには「書類の正確さ」だけでなく、「事業者の意欲や計画性が伝わるか」が鍵となります。

東京都での展示会出展助成プラスの注意点

展示会出展助成プラスは、非常に実効性の高い制度ですが、申請にあたっては注意すべきポイントも少なくありません。とくに「対象経費と対象外経費の違い」と「申請時にありがちなミス」は、採択の可否や助成額の認定に直結するため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です(YouTubeビデオもぜひご確認ください)。

まず対象経費についてですが、助成の対象となるのは「展示会出展に直接関係する経費」に限られます。
具体的には、小間料、展示装飾費、什器レンタル費、輸送費、通訳費、カタログ・パンフレットの制作費などが該当します。オンライン展示会の場合でも、ウェブブースの作成費やコンテンツ制作費が対象になることがあります。

一方で、対象外経費として扱われるものには注意が必要です。
たとえば、従業員の人件費、交通費・宿泊費、飲食代、展示会場への来場者へのノベルティ、備品購入費(会場以外での使用が想定されるもの)、または出展とは関係のない企業広告費などは、助成の対象になりません。これらを申請経費に含めてしまうと、審査で減額や不採択となる可能性があるため、経費の使途は必ず確認の上で精査する必要があります。

次に、申請時に多いミスとして挙げられるのが、提出書類の不備です。例えば、登記事項証明書や個人事業の開業・廃業等届出書の記載内容と申請書の記載が一致していなかったり、その他にも一つの数字が書類間で一致していなかったりといった形式的なミスが散見されます。
また、展示会の選定理由や出展目的が不明確なまま申請してしまうケースもあります。
審査側としては「この企業がなぜこの展示会に出展し、どのような成果を見込んでいるのか」を読み取れない申請書には、支援しなくてもいいのかもな…と、受け取られてしまうかもしれません。

補助金専門行政書士によるよくある質問と対策

申請をサポートしている中で、事業者からよく受ける質問のひとつに「どんな書類を用意すればいいのか」というものがあります。
主に必要となるのは、申請概要書、経営分析報告書、登記事項証明書(法人の場合)、個人事業の開業・廃業等届出書(個人事業主の場合)、直近2期分の確定申告書、納税証明書、パンフレット等などです。
これらは細かい要件があるため、公的証明書類は最新のものを取得し、必ず原本または原本に準じた形式で提出することが求められます。

特に、経営分析報告書の作成については、東京商工会議所等に協力をいただいて作成する必要があります。このため短期間で申請することは難しく、また、展示会出展助成プラスの申請のみを目的とした経営分析報告書はすごく嫌がられて、断られてしまう可能性があるので、ぜひ経営を向上させる一環として作成指導を受けることをお勧めします。

採択率を高めるためのポイントとしては、単に「費用を補助してほしい」という姿勢ではなく、「この展示会を通じてどのように事業を成長させるか」というビジョンを丁寧に記載することが挙げられます。

過去に支援した申請の中でも、製品の市場性や独自性、展示会との親和性を的確に説明できた企業ほど高評価を得ています。
また、展示会出展後の具体的なフォローアップ体制(名刺交換後の営業プロセスなど)についても触れておくと、実効性の高い計画として評価されやすくなります。

書類の準備から記載内容の精度に至るまで、丁寧な申請が求められるこの制度では、制度の特性を理解した専門家の助言が、成功の鍵を握るといえるでしょう。

東京都全域での展示会出展助成プラスのメリット

東京都が提供する「展示会出展助成プラス」は、都内の中小企業が販路拡大を目指す上で、非常に現実的な支援効果をもたらします。
中でも注目すべきは、助成金額の規模と、企業の負担を大きく軽減する補助率です。

既に触れましたが、この制度では、国内展示会への出展に対して最大75万円、海外展示会に対しては最大150万円までが助成対象となり、補助率は経費の2分の1以内と定められています。
つまり、150万円の出展コストをかけたとしても、最大でその半分にあたる75万円の助成を受けられる可能性があるということです。

この金額のインパクトは大きく、特に予算に制約のある小規模事業者にとっては、出展の決断を後押しする大きな材料となります。
これまで「費用が高くて無理」と諦めていた企業が、新たな市場に挑戦するきっかけとして制度を活用し、販路開拓や取引先の獲得に結びつけている例も多く見られます。

加えて、この助成金は単に出展経費の負担を軽くするだけでなく、実際の事業成果にもつながりやすいのが特徴です。

AI時代になるほど、人と人があって話をすることが強力な販促になります。

展示会では来場者との商談や製品PRが直接できるため、特に新商品や自社技術に強みを持つ企業にとっては、高い確率で新規顧客の獲得が期待できます。
さらに、展示会に出ることで他社との差別化が明確になり、ブランド認知の向上や業界内でのポジショニング強化にも貢献します。東京都の助成制度はこうした事業成果につながる“手段”として活用されているのです。

東京都周辺にも当てはまるポイント

ちなみに、東京都以外にも、神奈川県、埼玉県、千葉県などの自治体でも類似の展示会出展支援制度が存在しますが、その支援内容や要件、助成額には違いがあります。
たとえば、埼玉県では補助上限が30~50万円程度に設定されており、補助率も3分の1にとどまることが多く、助成範囲も限られがちです。
千葉県や神奈川県でも補助制度自体は存在しますが、対象となる展示会や企業規模に条件がつくなど、柔軟性の面でやや劣る点も見られます。

これに対して、東京都の展示会出展助成プラスは、助成金額・補助率ともに全国的に見ても高水準で、申請期間が年2回に拡充されている点も大きな利点です。
さらに、展示会の開催地が東京都内でなくても助成対象となるケースが多く、都内に事業所を持つ中小企業であれば、国内外を問わず広くチャンスが開かれているのが大きな魅力です。

また、東京都中小企業振興公社による制度運営の透明性や、申請支援体制の整備も、他自治体に比べて一歩進んでいる印象を受けます。
助成制度の説明会や相談窓口、サポート資料などが充実しており、初めて補助金・助成金に取り組む企業にとっても取り組みやすい設計となっているのです。

このように、「展示会出展助成プラス」は、東京都に事業所を持つ企業にとって、展示会を通じた成長戦略を強力にバックアップする制度であり、その手厚さと柔軟性は、他自治体の制度と比較しても際立っています。

まとめ

この助成金は、東京都の中小企業向けのものです。

助成金については、やはり東京都が群を抜いていると言えるでしょう。だからこそ、東京都で事業をするなら、助成金をフル活用しないともったいないといえます。

展示会への出展は、製品やサービスの特長を直接的に伝えられる数少ない機会であり、中小企業にとっては認知度向上や販路開拓の大きな足がかりになります。
しかしその反面、出展には高額な費用がかかるため、実行に踏み切れない企業も多いのが現実です。
そうした中、東京都の「展示会出展助成プラス」は、中小企業が自社の成長を図るうえで非常に有効な支援制度といえます。

本助成制度を最大限に活用するためには、単に「費用を補助してもらう」ことにとどまらず、「助成金を戦略的に活かして成果を上げる」視点が重要です。たとえば、展示会に向けた商品やサービスの見せ方を工夫したり、事前にターゲット顧客を明確に定めた上でブースの設計を行ったりすることで、来場者の関心を的確に捉えることができます。
さらに、展示会当日の商談対応体制、名刺交換後のフォローアップ、受注後の対応までを見越した準備を行うことで、助成金の効果を「結果」に結びつけることが可能になります。

また、申請の段階から「展示会出展の目的」「期待する効果」「出展後の展開プラン」などを明確にしておくことが重要です。
これは助成金の審査上の評価ポイントとなるだけでなく、自社の戦略を明文化し、実行計画として落とし込むことにもつながります。
こうした取り組みの積み重ねが、展示会出展を一過性のイベントではなく、継続的な営業戦略の一部として機能させることを可能にします。

助成金の活用によって得られる成果は、単に費用負担が軽くなるという即時的なものにとどまりません。
さんざんお伝えしてきましたが、やはり、展示会は強力な販促ツールです。
展示会を通じて新たな顧客やパートナーと出会い、業界内での立ち位置を築き、さらには新製品のフィードバックや市場ニーズの把握など、事業の方向性そのものに影響を与える“成長の種”が数多く得られます。
助成金はその機会を現実のものとするための「きっかけ」にすぎませんが、企業の姿勢次第で、その効果は大きく広がっていくのです。

さらに、展示会で得た成果を公的な実績として活用することも可能です。
たとえば、次回以降の助成金申請においては、過去の展示会出展実績が説得力のある要素となるほか、金融機関との対話や自治体の支援施策においても、「行動して成果を上げた企業」として高く評価される傾向にあります。

東京都が中小企業の挑戦を支援するこの制度は、単なる経費補填にとどまらず、企業の飛躍を後押しする“投資”と位置付けることができるでしょう。その意味でも、「展示会出展助成プラス」は東京都内の中小企業にとって、大きな成長機会を掴むための強力な武器となるはずです。

補助金専門の坂本倫朗行政書士事務所への相談方法とお問い合わせ情報(東京都エリアに対応)

展示会出展助成プラスのような助成金制度は、東京都内の中小企業にとって非常に有益な支援策である一方、その申請手続きは煩雑で専門性も求められます。書類の作成には制度への理解はもちろん、事業内容をわかりやすく伝える文章力や、審査を意識した論理的な構成も必要とされます。

こうした中で、当事務所のような補助金申請の経験が豊富な行政書士に相談することは、成功への大きな一歩となると考えます。

当事務所(坂本倫朗行政書士事務所)では、企業の事業内容や経営状況をヒアリングしたうえで、適切な申請計画を立案し、必要書類の整備や申請書作成の支援を行います。
とくに補助金専門で活動している行政書士であれば、過去の採択事例や不採択事例を分析した知見を活かし、審査官に伝わりやすい申請内容に仕上げることができます。
さらに、申請後の対応や報告書作成まで一貫してサポートする体制があるため、初めて助成金に取り組む企業でも安心して活用できます。

作成した計画書についてチェックをすることも承ります。
申請ミスによる不採択や、後日の助成金返還といったリスクを避けるためにも、専門家のチェックを受けることは非常に有効です。
助成金申請は一度きりのチャンスであることが多いため、提出前の精度が結果を大きく左右します。

当事務所では、東京都内の中小企業・個人事業主の皆さまを対象に、展示会出展助成プラスに関する無料相談を承っております。
申請できるかどうか、費用面など制度の適用範囲はどこまでか、準備すべき書類のアドバイスなど、初回相談で明確な方向性をご提示します。
また、採択後の報告義務や精算処理なども含めて、申請から完了まで一貫したサポートが可能です。

報酬は完全成功報酬で、助成金相当額の10%です(最低税別10万円です)。

お問合せは、下記の連絡先までお気軽にご連絡ください。

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この記事の執筆者

IT業界出身の行政書士です。最新の法制度にあわせた対応や、実務上のリスクを判断した上で、契約書・利用規約の作成とチェックを行っています。生成AIにはできない人間としての実務経験と隠れた文脈の理解力・リスク判定能力を活かし、現場に即した支援を心がけています。

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