契約書の前文と頭書きをごっちゃにしないようにしましょう

契約書

東京都板橋区の坂本倫朗行政書士事務所、所長の坂本倫朗です。
この記事では、契約書の前文と頭書きの違い、契約書全体の構成について説明します。

クロまめ
クロまめ

ねえクロー、契約書って“前文”と“頭書き”ってあるけど、どっちが最初に読むとこなの?

クロー
クロー

いい質問だな、クロまめ。どちらも冒頭に出てくるものだが、役割は全く違う。混同されがちだけれど、そこが落とし穴だ

サカモト
サカモト

では、それぞれの違いを見ていく前に、きほん的な契約書のかたちをおさらいしておこうか。

契約書の構成について

契約書は、一般的に以下の構成で出来上がっています。

  • 表題:契約書のタイトル
  • 頭書き:契約金額、契約期間など
  • 前文:契約の当事者、契約の経緯
  • 本文:契約の条文
  • 後文:作成した契約書数、契約締結の旨、契約書の保有者
  • 日付:契約書の調印日
  • 署名・捺印:契約当事者の住所氏名(会社の場合役職)、実印による押印

この通り書かなくてもいいんですが、
契約書は型にはめて書いた方が、「どの契約書でも必ず書くべきこと」と、「この契約に限り書く必要があること」を分けやすいのです。

前文?頭書き?

前文とは、

(委託者)〇〇〇〇(以下「甲」という。)と(受託者)●(以下「乙」という)は、xxの保守に関し、以下の通り保守契約(以下「本契約という」。)を締結する。

といったようなものです。
ここには、契約の当事者が誰であるかと、契約の概要は何かといったことなどを記します。

それに対して、頭書きとは、英文契約書のHeadに当たるものです。
頭書きは英文契約書の、前文の一部です。

頭書きと前文をごっちゃにしているものが多いですが、
頭書きは、英文契約書に使われるものと考えた方がよいです。

ちなみに、英文契約書の頭書きには、日本語の前文と違って、契約締結日、当事者名、本店登記住所なども表示されますよ。

サカモト
サカモト

補足すると、“前文”は日本語契約書の冒頭に出てくる、契約の概要と背景を説明する部分なんだよ

クロまめ
クロまめ

ふむふむ。つまり、誰が誰と、なんの契約を結ぶかってことを書く場所?

クロー
クロー

その通りだ。そして“頭書き”は、英文契約書に多い構成。契約日や当事者の情報など、事実関係を整理するために使われる

違いを表で整理してみよう

項目内容よく使う契約書
前文当事者の紹介、契約の趣旨や背景日本語契約書
頭書き契約日、当事者名・住所等の明示英文契約書に多い

もっと知りたい人のために

クロまめ
クロまめ

契約書って…正直ちょっとこわいかも…難しそうだし

クロー
クロー

それを感じるのは自然なことだ。だからこそ、知識は力になる。恐れず、学ぶことだな

サカモト
サカモト

そんな人のために、“契約書のルールとマナー”という初心者向けテキストを用意してるよ。要点だけを、やさしくまとめてあるから安心して読める

契約書レビュー、やってます

クロまめ
クロまめ

この前、自分で契約書を作ってみたけど…ほんとにこれで合ってるのか、すごく不安だったよ〜

クロー
クロー

不安の裏には、責任感がある。だが、一人で抱えこむ必要はない。レビューを依頼するのも、賢い選択だ

サカモト
サカモト

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この記事の執筆者

IT業界出身の行政書士。補助金・融資相談、許認可申請、契約書整備を通じて、中小企業の行政制度活用と財務安定を支援しています。財務・法務で200件超の実績があり、著書も多数。表現と対話を大切に、経営者の自由時間と学びの余白を守ることを軸に活動中です。

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