この記事では、契約書と、注文書、請書(うけしょ)との違いを説明します。

契約書

契約書は、「債権・債務関係を発生させる内容を明確にするために、契約当事者が作成する書面」です。

本来、民法上では口約束でも契約は有効とされています。
しかし、契約書を使って契約することによって、法的な証拠を残しておけます。

急ぎの仕事だと、契約書にサインをする前から先回りして作業を開始したりします。
これが、結構途中でご破産になることがあります。
まだ契約書を結んでないので「途中まで仕事をした分のお金が欲しい」といっても、交渉ができないことが多いのです。
こんなトラブル回避のためには、契約書に双方の捺印がされるのを待ってから作業を開始することを念頭に入れておきましょう。

ちなみに、クラウドサイン等の電子契約書を使用すると、ネット上で契約を締結することもできます。
お互いが問題なくパソコンを使えることが前提ですが、
上手に利用すると、契約書を郵送で送ったり送り返されたりするのを待たずに、その日のうちに契約締結ができますよ。
印紙代も節約できます。
電子契約書に対応した契約書をご希望の場合は、坂本までご相談ください。
初回の相談料無料です。

注文書と請書

毎日取引があるようなお仕事では、その度に契約書を交わすのが大変なので、
これから紹介する発注書や請書で簡単に済ませることが多いです。

注文書と請書はセットで使われることが多く、

1:注文書(ください・やってください)
2:請書・注文請書(あげます・やります)

という関係で成り立ちます。このセットで契約が成立します。

注文書

注文書では見積り時に取引先と確認した、「注文品」や「品数」、「金額」をかき、また「希望納期」を 提示する役割があります。

発注書サンプルのダウンロード(坂本作成。ダウンロードと使用は自己責任でお願いします。)

注文書は、相手が受け取ったときに効力を生じます。
さらに注文書は、下請法の親会社にあたる会社には義務付けられているので注意してください。

請書

請書(注文請書)とは注文される側が「(注文を)引き受けますよ」という意思をあらわす文書になります。

請書サンプルのダウンロード(坂本作成。ダウンロードと使用は自己責任でお願いします。)

「契約書と請書」違いのポイント

契約書と請書の、違いのポイントについてですが、
まず、注文書や請書は、契約書と違い、双方の捺印がされることは、ほぼありません。

契約書と請書は、契約書のやりとりに比べると、簡単に済ますことができます。
しかし、法的な効力はあります。
(発注書も)請書も重要な法律文書です。

そして、注文書と請書がそろえば、契約成立として立派な法的証拠になります。
注文書は義務的に作るところが多くありますが、
トラブルを避ける上では、なるべく「請書」も発行するようにしてください。

取引基本契約書を作成しておきましょう

注文書と請書をやり取りする取引形態の場合は、注文書や請書とは別に、取引基本契約書を締結しておくと安心です。

取引基本契約書というのは、継続して取引を行うときに、その基本となることを定めた契約書です。
取引の基本の方針や、トラブルが合ったときの決めごとを書いておくものです。

(例) 売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書など

繰り返し行う契約すべてについて、統一ルールを定めておくのです。

内容にも注意

それから、請書と書いてあって、内容を読むと実は契約書だった、というときもあります。
タイトルに惑わされないようにしっかり読みましょう。

はじめての契約書作成でお困りの方に

契約書作成のルールは独特ですよね。

入門書と書かれている本も難しい。
使われている言葉に慣れるまでに時間がかかるのです。

「じっくり勉強している暇はない、でも契約書作成のポイントを素早くつかみたい」
という人のために、テキストを作成しました。

以下の記事で紹介しています。
契約書の書き方だけでなく、
契約を結ぶまでのやりとりの仕方やお作法についても書いています。

契約書の超初心者向けテキスト「すらすら読めて一生使える 契約書のルールとマナー」

全部で、23511文字。

このテキストを書くのには時間がかかりました。
過去7年間の契約書作成で経験したことを落とし込んでいます。

このテキストを書いたのは、やりとりの仕方やお作法についてまで書いてある本がなかったからです。
よろしければご活用ください。

また、「契約書作成を依頼したい」、「自分で作った契約書をみてもらいたい」という、ご相談がありましたら、
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